東京都青山葬儀所について

初めまして。一級葬祭ディレクターの青山と申します。

葬祭ディレクターとは世間的にあまり認知されていない感覚がありますが、厚生労働省が認定した資格で、資格取得には葬式に関する知識や技能、数年の実務経験を要します。

私は10年以上、故人様とご遺族様たちとの最後のお別れの場に立ち合いをしてきましたが、喪主や遺族の立場に慣れている方はほとんどおらず、葬式の準備や手配に追われ、故人様との最後の時を心安らかに過ごせないご遺族様もたくさんいらっしゃいました。

葬式とは故人様を弔うために行われる祭儀。

本来は残されたご遺族様やご友人様が、故人様の生前を偲び、思いを馳せ、そして故人様に感謝を伝える時間であるべきだと考えます。

できることならば永遠のお別れは経験したくないですが、人間生きていれば必ず最後は訪れます。

最愛の人やお世話になった人にお別れを告げるときに葬式のことであたふたしないよう、早めに準備の流れや知識について学んでおきましょう。

私は東京都を中心に各葬儀所で働いてきました。日本で一番人口の多い東京は、さまざまなご家族の形や宗教、宗派があり、出身地も多岐にわたります。

葬儀場を選ぶ際は、参列者の収容規模や料金の他にも、国籍や宗教、宗派などの制約があるのかどうかは必ずチェックしましょう。

例えば港区にある公営の東京都青山葬儀場では、葬式の規模や様式などをご遺族様、もしくは故人様の生前のご希望から選ぶことができ、宗教、宗派なども問いません。

23区にある公営の葬儀所ながら、参列者が1,000名を超える大規模な葬式から、近親者のみで執り行う家族葬や密葬にも対応しており、後日に行われる法要やお別れの会にも利用できます。

そのため芸能界や政界の著名人や、企業・団体の代表者などの葬儀会場として使用されることも多くあります。

1901年に開設された青山葬儀所は一度戦災により施設が消失しましたが、1953年には再建され、約20年後には老朽化に伴って改築されました。

それからさらに約半世紀弱、施設の老朽化が激しいことから2021年4月より利用休止となっており、東京都などは建て替えを検討しています。

故人様がご逝去された後に一番不安なこととは、葬儀所の手配ではないでしょうか。

現在は建て替え工事のため利用できませんが、青山葬儀所では事前の見学や相談が可能です。

施設内の各部屋や各資料を事前に確認し、心配事や疑問点を解消することは、当日故人様とゆっくり過ごすための大切な準備となります。

青山葬儀所の他にも、事前に葬式の相談や葬儀所の見学ができる施設があるので、お時間や心にゆとりがあるときに色々とお考えになってみてはいかがでしょうか。

葬儀所には青山葬儀所のような公営斎場や民間斎場、寺院・協会から自宅までさまざまあります。料金や設備、場所などから最適な葬儀所を選びましょう。

葬式、特に葬儀では、参列者の方は喪服を着用しておられるので、公共交通機関を利用することに抵抗を感じる方もいらっしゃいます。駐車場の台数や、周辺の道路状況なども葬儀所を選ぶ際のポイントとなります。

また故人様が檀家の場合は、お寺で葬式や法要をあげられることを希望する場合もあるので、故人様の生前のご意向を聞いておくことも大切です。

ここからは少し一般的な仏式の葬式の流れについてお話します。

一般的な仏式の葬式の流れは、一日目にお通夜、翌日に葬儀・告別式を執り行い、火葬します。

命日から七日目には初七日法要を行いますが、最近では葬儀の後に行うことが増えており、初七日法要の後は「精進落とし」で宗教者や参列者に食事を振舞います。

仏教にもさまざまな宗派があり、その宗派や土地柄によっても葬式の流れやしきたりは変わります。

お通夜は故人様との最後の夜を過ごす日です。ご遺族様や、生前故人様と進行の深かった方たちが集まり、故人様のご冥福をお祈りします。

元々はろうそくや線香の火を絶やさずに、夜通し故人様を見守ることを意味するお通夜でしたが、最近では弔問客が参列しやすい時間帯の1~3時間で儀式を終えることが増えたことから「半通夜」とも呼ばれるようになりました。

お通夜の大まかなはこびは、読経の後にご焼香があり、その後、僧侶から法話や説法があります。そして喪主挨拶の後、通夜振舞いへと移ります。

通夜振舞いとは、「喪家が僧侶や弔問客をもてなすこと」と「故人様を偲ぶこと」の意味が込められた、通夜後の食事の席を指します。

お通夜に参列することとなった場合、通夜振舞いに声をかけられたら基本的には辞退しないのがマナーです。

葬儀・告別式は、故人様に最後の別れを告げる儀式です。

葬儀と告別式は、まとめて呼ばれることが多いですが、それぞれに意味があり、内容も異なります。

葬儀とは故人様のご冥福をお祈りし、僧侶による読経で故人様を弔う宗教的な意味を持つ儀式です。それに対し、告別式とはご遺族様やご友人の方々が、故人様と最後のお別れをする時間になります。

そのため葬儀で読経をする僧侶は告別式には参加はしません。

司会者による開式の辞が述べられた後、僧侶による読経が始まります。その後、ご遺族様や弔問客の方たちによるご焼香が始まり、読経が終わると僧侶は退場します。

僧侶の読経とご遺族様、参列者の方々等のご焼香が葬儀で行われることです。

僧侶が退場した後、弔電がある場合は司会者が紹介し、告別式が始まります。

告別式では故人様が眠られている棺にお花や故人様の愛用品、思い出の品などを納めます。棺の蓋を閉めると、いよいよ故人様とは永いお別れとなりますので、後悔の無いように感謝の意やお別れを告げましょう。

棺の蓋を閉め、喪主の方からの挨拶、司会者からの閉式の辞を終えて、葬儀・告別式が終了します。

ここまで紹介した葬式の流れや、お通夜、葬儀・告別式の説明は、あくまでも一般的な仏式の葬式についてです。

ここからは地域で異なる葬式の特色について、少しだけお話したいと思います。

私は高校卒業までを茨城県の北東部で過ごし、大学進学を機に東京へ越してきました。

母方の祖父母と父方の祖父は、私が小学校へ上がる前に他界したため、高校2年の秋に他界した父方の祖母の葬式が、私にとって一番古い葬式の記憶になります。

それまで葬式についてほとんど無知でしたし、その後もしばらくは葬式に参列する機会が無かったので、地域ごとの特色などは知る由も無かったのですが、ある時ひょんなことから、お通夜の食事でお餅を食べたことが茨城県の特色だと知りました。

日本全国各地の葬式について調べると、47都道府県それぞれに特色があり、さらに都道府県内でも地域ごとに特色が異なります。

葬式の話以外でもよく引き合いに出されるのが関東と関西ではないでしょうか。

例えば香典袋の水引の色は、関東は黒白が一般的ですが、関西の水引では黄色と白色が使われることがあります。特に京都では黒白の水引の香典袋はあまり使われません。

火葬後の骨拾いにも、関東と関西では違いがみられます。

関東では二人がそれぞれの箸を使い、協同作業でお骨を骨壺に入れます。また、すべてのお骨を大きな骨壺に入れて持ち帰り、そのままお墓に納めます。

一方関西では骨拾いは一人で行い、主要なお骨のみを骨壺に入れます。関西の骨壺は関東のものより小さく、お墓に納めるときはお骨を布袋に移してから納めます。

葬式を執り行うまでの日取りにも、関東と関西では違いがあり、関東ではご逝去から3~4日後に葬式をすることが多いです。

これは宗教やしきたりからきたものではなく、単純に東京の葬儀所や火葬場の予約が取りにくいことが原因と言われています。

関東と関西との違いというよりは、東京が特殊だともいえますね。

関東と関西以外でも、葬儀の前に火葬をする地域や自宅葬が主流な地域など、各地でさまざまな違いや特色があります。

北海道では受付で香典の領収書が発行されるため、自分自身で芳名帳への記入はしないそうです。香典に領収書とは、北海道民以外ではなかなか馴染みの無い習慣ですね。

さらに面積の広い北海道は、親戚が一同に集まる機会が少ないことから、葬儀の際に祭壇の前で集合写真を撮る習慣があるそうです。これもまたあまり馴染みの無い習慣ですね。

葬式の日取りが友引に被らないように、日程を後ろ倒しにすることはよく聞きますが、出雲大社のある島根県では、大安の日の葬式も避ける風習があります。

親戚や親交のあった方が住んでいる土地でないと、なかなかその土地の葬式文化に触れることがないので、まだまだ知らないことがたくさんあります。

ただどこの地域でも、生前の感謝の気持ちを持って故人様を弔い、ご冥福をお祈りする気持ちは同じですね。

これまで全国各地の葬式の特色や違いについてお話してきましたが、最近では葬儀会社や互助会が各地に展開し、これまでの文化や風習が薄れてきていると感じることもあります。

地域密着の葬儀会社もありますが、多数の都道府県に斎場を持つ葬儀会社では、所謂「一般的な葬式」が行われていることが多いです。

すべての文化や風習は、時代の流れとともに受け継がれていくので、これもまた時代の流れとして受け止めましょうか。

最近では「お墓のサブス」なるサービスも登場しています。

なんとなく私達は、葬式やお墓などは昔からの習慣やしきたりに倣うべきであり、新しい風を通すことをタブーとしている感じがあります。

それを音楽や動画配信などと同じ感覚でお墓を利用するサービスは、大変驚きました。

やはりこれも時代の流れといえましょうか。

今後の葬式スタイルも徐々に特色や風習が変わっていきそうですね。私は一級葬祭ディレクターとして、日々葬式と真摯に向き合っていく所存です。

葬式についてはこの辺りで締めますが、最後に「終活」についてお話したいと思います。

終活とは「人生の終わりのための活動」の略とされ、自分の死やそれまでの余生について向き合うことです。

自分自身の死についてご家族や近しい人と共有することは、ご自身の死後に残されたご家族へのご負担の軽減にも繋がります。

終活のメリットはそれだけではなく、ご自身の死に対しての不安を解消し、残りの人生を充実させることもできます。

終活を始める時期は人それぞれで、ご自身が始めたいと思ったタイミングがその時です。

主な終活内容は、エンディングノートや遺言書の作成、お墓や葬式の準備などがあります。

2009年ごろから終活という言葉が広まり、今では終活に関する情報は本やネットなどさまざまな場所から得られるので、ここでは詳細は割愛させて頂きます。

ご自身の死後、残されたご家族が葬式やお墓の準備で困らないよう、定期的にご自身の死生観について共有しておきたいですね。

若い方でも、延命治療や不慮の事故による治療方針についてお話しておくことは決して早すぎることはありません。

私の死生観や余生の楽しみ方については私のエンディングノートに書き連ねていこうと思うので、今回はこの辺りで失礼いたします。